ケニア航空へのステイタスマッチで1年間の無料エリートプラスを得る

ケニア航空のステイタスマッチを10月中旬に行った。ANAのプラチナの資格を利用した。

 

1. ケニア航空

ケニア航空とは、名前の通りでケニアフラッグキャリアである。アライアンスはスカイチームで、デルタやエールフランス、KLMなどと同じだ。ちなみにIATAの2レターコードはKQであり、赤色のコーポレートカラーと相まって、羽田空港にいる赤い電車を彷彿とさせる。

そんなケニア航空は、今までKLMやエールフランスと同じマイレージプログラムのフライングブルーを採用していたが、独自のプログラムに変更するということで、その間でステイタスを引き継ぐのにステイタスマッチを始めたということらしい。それが実は、フライングブルー以外のFFPからも申請を受け付けているということで話題となった。

ケニア航空の新しい会員資格は、ルビー、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階で、シルバーがSkyTeamのElite、ゴールドとプラチナがElitePlusに相当する。

2. 申請してみた

2.1 メール送信

私はJALJGCANAのPlatinumを持っている。とりあえずANAのPlatinumのステイタスカードで申請してみることにした。

公式サイトのFAQを参照すると、「ステイタスカードとパスポートのコピーを送ってね、7日以内に返信するよ」とのこと。いきなりパスポート送るのも嫌だな~なんて思い、「ステイタスマッチお願いね」の文とともにANAマイレージクラブアプリのデジタル会員証のスクショと、一応直近の搭乗履歴(羽田上海の1往復だけ)のスクショだけを貼り付けて送信した。

2.2 否決...

それから約10時間後、現地時間の朝一番に返信が来た。曰く、「6か月ステイタスの残存期間がなきゃだめだよ。期限更新後のカードを送ってね」とのこと。しかし、JALにしろANAにしろ、必ず毎年3月末更新であるから、10月を過ぎてしまうと当分新しい期限のカードは手に入らない(なお以前はJGC用の緑色のステイタスカードは数年ごとの更新だったように思う)。

2.3 粘る

「みんなこの期限で来年まで新しいカードは手に入らないからどうしようもないよ。でもSFCのクレジットカードを見せるね。右上にスターアライアンスゴールドって書かれてて、有効期限はまだ数年あるでしょ?」

2.4 ついに

約3時間後、極めて事務的なメールで、「リクエストに従ってステイタスマッチの処理を開始しました。最大で3日要します」と来た。実際には、その数時間後にはGoldステイタスに変わっていることが確認できた。

というわけで、なんだかんだ3日もかからず1年間のGoldステイタスを手に入れることができた。SFCのクレジットカードの有効期限をスターアライアンスゴールドが与えられた期限と主張するのも、微妙な論理ではあるが...

 

3. Goldステイタスってほんとに使えるの?

さらっと手に入ったステイタスであるが、ほんとに有用なのだろうか?最初に述べた通り、SkyTeamのElitePlusとしての効力があるから、SkyTeam加盟会社では使えるはずである。

不安な点は、ケニア航空にはまだステイタスカードというものが存在しない(計画はあるらしい。ほんとか?)ため、番号を伝えるしか手段がないことだ。

3.1 大韓航空搭乗時に使ってみる

大韓航空SkyTeamの加盟航空会社。羽田~ソウル(金浦)と、ソウル(金浦)~釜山に搭乗したので、そのときに使用してみた。

羽田~金浦便は、デルタ航空の15,000マイルを使ってプレステージクラス(ビジネスクラス)を予約した。大韓航空の予約管理画面からはFFP番号を修正できなかったため、日本の予約デスクに電話して結び付けてもらった。ビジネスクラスであるから、もとからSkyPriorityの対象ではあるが、ElitePlusが反映されていることは確認できる。

羽田~金浦 KE2102便搭乗券

羽田のデルタスカイクラブの受け付けで尋ねたところ、大韓航空搭乗時にケニア航空のElitePlusでエコノミークラスでも同行者1名含め問題なく入場できるとのことだった。デルタスカイクラブはごはんが美味しく居心地がよかったので、とても嬉しい。

羽田のデルタスカイクラブ カレーやカクテルも美味しい

 

続いて、金浦~釜山便での利用。こちらは大韓航空のウェブサイトから直接予約したので、予約時にFFP番号を入力できた。そしてやはり問題なく、航空券上でSkyPriorityとElitePlusの表示が確認できた。

金浦~釜山 KE1803便搭乗券 ペラペラの感熱紙

ラウンジに行く時間はなかったが問題なく入れるだろう。また驚いたことに、機内で離陸まで座っている間、チーフパーサーが挨拶に来た。他の韓国人のおじさま方にも挨拶していたが、きっと大韓航空のモーニングカームプレミアムクラブのお得意様なのだろう。モーニングカームプレミアムクラブは、生涯で500,000マイル利用しないとなれないので結構な上顧客なのである。しかしSkyTeamのステイタスでみるとElitePlusで同等。なんか申し訳ない気持ちになるのであった。

 

4. おわり

ありがとうケニア航空

ステイタスマッチって、マッチ元のステイタスの価値も高まった気がするよね。1年間も他アライアンスで優遇されるなんてすごいよね。最近の安い厦門航空や中国東方航空なんかもSkyTeamだからそれらも利用しやすくなるし、いろいろ乗りたくなっちゃってなんか沼だな。

JGCからUA Platinumにステイタスマッチした話も以前書きました。

an47.hatenablog.com

 

北京首都空港での24時間以内のトランジットとエアチャイナラウンジ 2023年5月の状況

北京(北京首都空港)でおよそ5時間半のトランジットをしたので、流れと空港の現状をまとめておく。中国のような国は、とりわけ状況の移り変わりが早く、2023年5月17日時点での話でしかないが、情報が少ないので誰かの役に立つかもしれない。

旅程

ソウル/仁川から北京/首都、北京/首都から台北/桃園の飛行機をトランジットした。北京首都空港での滞在はおよそ5時間半。10時間ほど滞在時間がある便も選べたのだが、Twitterで検索した情報から、24時間以内の乗り継ぎだと入国させてもらえないらしいと知っていたので、短い乗り継ぎにした。ちなみに成田から仁川も同じ航空券で取ってあり、仁川での滞在も24時間以内だった。

北京首都空港での手続き

降機して出口/Transferのサインに向かって歩いていくと、検疫が現れる。

降機後のサイン

健康申告用の案内。左2つはWeChat、外国人は一番右のQRコード
外国人用指紋登録機

しかし24時間以内の乗り継ぎの際は検疫や指紋登録の必要はなく、そばにある24時間以内乗り継ぎ客用のゲートを通ればよい。ゲートで自動改札に航空券をかざし、中にいる人に旅券と航空券の確認を受けると、保安検査を通って出発エリアに出られる。保安検査が必要なので、ペットボトル飲料などを持っていても廃棄する必要がある。

"Transit for Int'l/HK, Macao, Taiwan Flight within 24 Hours"と表示されている

私は試していないので確かではないが、24時間を超えるトランジットの場合は、検疫を通って入国する必要がある。144時間以内ならトランジットビザの免除が受けられるはずである。中国の税関アプリで健康申告が必要なので、事前にしておくとスムーズだと思う。

なお私は出発地の成田で、「中国では入国が必須なので健康申告をするまで乗せない」と搭乗口でアシアナ職員に言われ、登録を行ったため仁川行きの飛行機に乗るのに時間がかかった。しかしそれは予想通り間違いであり、24時間以内なら必要ないのが事実である。そう指摘したところで、こちらの情報ではそうなっているのでやってくださいとしか言われないのだが...

北京首都空港(第3ターミナル)の現状

北京首都空港では第2ターミナルをスカイチームが、第3ターミナルをワンワールドスターアライアンスが主に利用している。第3ターミナルは中国最大のエアチャイナの拠点である。のだが、この空港、ほんとうに店が営業していない。中国の国際線の再開は未だまばらのようである。

中国最大の空港でこの発着数である。(第3ターミナル、15時以降のみ)

数多い免税店やブランドショップも、営業中なのは2店舗の免税店とエルメスとブルガリだけ。飲食店は、ケンタッキーとスタバだけ開いていた。

ケンタッキーとスタバ

自販機は何台かあった。ラウンジは、エアチャイナとエミレーツが開いていそうだった。ベンチは人の数に対して潤沢にあり、ところどころで横になっている人もいた。自分も試しに寝てみたが、結構寝やすいベンチであった(ベンチ泊歴:羽田・中部・関空)。

割と寝やすいベンチとエアチャイナの747-400

食事をしたい人は、短い営業時間のケンタッキーに行くか、エアチャイナのラウンジを利用することになる。ラウンジについては後述するが、プライオリティパスを利用できるので、持ってない人は作っておくとだいぶ快適になると思われる。 Wi-Fiは空港内に飛んでいて、ところどころにある機械でパスポートをスキャンすると個人個人にIDとパスワードが発行されるので、接続後のログインで打ち込むと使用できる。ただし中国なので、そのままではGoogleTwitterなどは接続できない。

エアチャイナラウンジ

エアチャイナビジネスクラスラウンジはおそらく現在休業中で、ファーストクラスラウンジは、スターアライアンス加盟航空会社および提携航空会社の上級クラス利用者と上級会員が利用できる。また、プライオリティパスも利用可能である。今回自分は、北京から台北ビジネスクラスだったので航空券の提示で利用できた。

エアチャイナファーストクラスラウンジ

ラウンジ内の飲食は、コロナ前には戻っていないものの、セルフサービスで好きな量を取ることができる。飲み物は、コーラやシュウェップスなどのソフドリ、コーヒーマシーン、ワイン、青島ビール、燕京ビール、中国茶、王老古などまあまあある。

ソフドリとビール、中国茶、ヨーグルトなど
お菓子、サラダ、食事

中国っぽい料理。魚おいしかった。

コンセントの数は人の数に対しては十分にあるので、充電には困らなかった。

シャワー室も用意がある。ラウンジの受付に行って使いたい旨を伝えると、搭乗券と引き換えに使わせてもらえる。脱衣所が狭いのでシャワーを浴びたあとは暑かったが、シャワー室はちゃんと清掃されており、シャンプー・ボディーソープも小さい容器で用意されている。

清掃はよくされていて、歯ブラシなども用意されている。

ファーストラウンジといえるほどのレベルではないのだが、食事もできてゆっくり椅子にも座れてコンセントも使えるのだから、ここにいれば数時間のトランジットは全く苦にはならないだろう。

内観。ラウンジはワンフロア上に位置している。

まとめ

プライオリティパスある方がいいよ。24時間以内なら健康申告も陰性証明もいらないよ。

SFC修行記録 in 2022

これ何番煎じだよっていうSFC修行記録。ほとんど自分用みたいなもんだからいいよね。 コロナ時代の記録として。

1. コロナ禍でのキャンペーン

2020年3月ごろから日本でも突入したコロナ禍。”自粛要請”によって、とりわけ夜の街はしんとした。 県境を跨いだ移動することはバイオテロリストかのようにも扱われ、航空業界含む旅行業界は大きな打撃を受けた。

航空便も減便が続く中、少しでも搭乗してもらおうと、また将来の「お得意様」を繋ぎとめるため、JALANAは2020年、21年、22年、23年と4年連続で FOP/PP*1を多く付与するキャンペーンを行った。 毎年細かい条件は変わったが、詳細は割愛する。

2. 2022年のANAでのキャンペーン

ANAは、2022年に2回キャンペーンを行った。1回目は、2022年4月25日から7月31日までで、国内線1区間につき1,000PPをボーナスで付与するもの。2回目は、8月1日から12月31日までで、国内線・国際線でのPP2倍付与かつ、国内線の一部路線(搭乗率の低い路線に感じられた)では500PPをさらに追加で付与するものだった。 私は、1回目のキャンペーンの時期に修行を行った。

3. 修行計画

修行は楽しむことも大事だが、やはりいかに安く抑えるかである。PP2倍キャンペーンなら単純に羽田~沖縄往復を繰り返せば安上がりだが、このキャンペーンでは積算率75%以上の運賃で搭乗の1区間につき1000PP加算であるから、区間数の観点も必要である。

ANAには、ANA VALUE TRANSITという乗り継ぎ運賃がある。そのうち一番安いANA VALUE TRANSIT 28は搭乗2か月前から購入可能*2で、設定のある乗継便を割安な運賃で購入できる。積算率は75%で、1区間につき200PPがプラスで付与される。

当時VALUE TRANSIT 28で安かったのが、羽田~那覇~石垣や、大阪~羽田~小松・能登・富山だった。後者の方が単価は良かったが、一度に得られるPPが多くないのと、関東在住なため、羽田~那覇~石垣メインで修行することにした。

4.搭乗記録
日程 発時 着時 発地 着地 運賃種別 運賃 PP PP単価 積算マイル
5/29 15:25 18:05 HND OKA TV28 16450 4246 3.87 922
5/29 19:25 20:25 OKA ISG 231
5/30 8:05 9:05 ISG OKA TV28 16050 4246 3.78 231
5/30 10:00 12:25 OKA HND 922
5/30 15:25 18:05 HND OKA TV28 15350 4246 3.62 922
5/30 19:25 20:25 OKA ISG 231
5/31 17:50 18:50 ISG OKA TV28 18850 4246 4.44 231
5/31 20:10 22:30 OKA HND 922
6/1 15:25 18:05 HND OKA TV28 15350 4246 3.62 922
6/1 19:25 20:25 OKA ISG 231
6/2 8:05 9:05 ISG OKA TV28 15750 4246 3.71 231
6/2 10:00 12:25 OKA HND 922
6/2 15:25 18:05 HND OKA TV28 15350 4246 3.62 922
6/2 19:25 20:25 OKA ISG 231
6/3 9:10 10:10 ISG OKA TV28 16420 3878 4.23 231
6/3 11:15 13:10 OKA ITM 922
6/4 7:05 8:15 KIX HND TV28 10980 3130 3.51 262
6/4 8:55 9:50 HND NTQ 193
6/4 10:30 11:35 NTQ HND TV28 12980 3130 4.15 193
6/4 13:00 14:05 HND ITM 262
6/4 15:00 16:15 ITM HND VV01 12010 1820 6.60 262
6/11 15:25 18:05 HND OKA TV28 15350 4246 3.62 922
6/11 19:25 20:25 OKA ISG 231
6/12 9:10 10:10 ISG OKA TV28 16450 4246 3.87 231
6/12 11:00 13:25 OKA HND 922
197340 50172 3.93 12702

注)TV28:ANA VALUE TRANSIT 28、VV01:ANA VALUE 1、HND:羽田、OKA:那覇、ISG:石垣、NTQ:能登、ITM:伊丹、KIX関空

ほとんどが石垣に夜行き、朝帰るという行程だったので修行らしかった(笑)が、せっかくなので一回観光しようと単価を悪くして夕方帰りにもした。 石垣に20:25につくと、市街地に出ると21時を過ぎたくらいになり、A&W*3にも行けない。しかし、八重山そばや居酒屋*4は空いているところもあるので、意外と楽しめた。

一度は羽田~那覇が遅延して乗り継げず、那覇で1泊したこともあった。ANA事由での遅延は宿泊費を請求でき、別途クレジットカードによっては食事代の請求もできるので、贅沢できてむしろ得であった。

1週間とちょっとで終わらせたのでなかなか短期型であったと思う。調整のために単価の悪い伊丹~羽田にも乗ったが、全部で20万以内に収まった。

5. まとめ

航空券にかかった総費用は19万7340円。 貯まったマイルはワイドゴールドカードの25%ボーナスを含めて12,702マイル。学生カードも持っていたのでプラスで3,000マイル*5。 ずっとSFC修行はしたいと考えていたが、20年、21年とキャンペーンに揺さぶられながらも実行せず、2022年にやっと修行した。 しょうもない行程だけど安く済んだし、せっかく取ったので海外でも行って活用したい。

*1:FLY ONポイント(JAL)/プレミアムポイント(ANA)は、搭乗ごとにマイルと別に付与されるポイントで、区間マイル・予約運賃によって変動する。これを貯めることで上級会員資格が得られる。

*2:2023年3月にANA VALUE TRANSITは改定され、今までのANA VALUE TRANSIT /7/28からANA VALUE TRANSIT /1/3/7、ANA SUPER VALUE TRANSIT 21/28/45/55/75へと細分化され、ダイヤ確定時から購入できるようになった。

https://www.anahd.co.jp/group/pr/202212/20221222-2.html

*3:石垣のA&Wはもともとは23時閉店だが、コロナの影響でずっと21時閉店になっている。

*4:ホテルの近くでマップで探して出てきた「かぁらや」という居酒屋に入ったら美味しかった。市街地ではないけどおすすめ。

*5:ANA学生カードを保有していると、5000PP達成で1000マイル、10000PP達成で2000マイル付与される。

JGCからユナイテッド航空へのステータスマッチ 2022年

2022年、ユナイテッド航空JALからステータスマッチを行った。

軽い背景知識の説明とどのような恩恵があったかを備忘録程度に残す。だいたい知ってる人は最初をぶっ飛ばして5章くらいから読んでね。

 

1. ステータスマッチとは

名前の通りで、他社のステータスを持っている人(上級会員)に自社のステータスを一定期間付与することである。ホテルチェーン間や航空会社間、ホテルチェーンと航空会社間などでよく行われている。他社をたくさん利用する人ならうちにもお金落としてくれそう、あわよくば乗り換えてくれそう、という目論見。

 

2. 航空会社のステータスとその恩恵

世に航空会社はごまんとあるが、有名な会社は3つの航空連合(アライアンス)のどれかに属していることが多い。ワンワールドスターアライアンススカイチームの3つで、日本ではJALワンワールドに、ANAスターアライアンスに属している。

同じアライアンスに属する航空会社同士はお互いに連携していて、ある航空会社のステータスを有する人は同じアライアンス内の他社利用時も一定の恩恵を受けられる。

でも同じアライアンス内でも航空会社ごとにステータスの基準とか名前とか違うので、ある会社のあるステータスがどのくらいのレベルかを測るものさしのように、アライアンスごとに決めたステータスのレベルが存在する。例えばスターアライアンスにはStar Alliance SilverとStar Alliance Goldの2つがあって、それぞれの航空会社の一番低いステータスはSilver、それより上のステータスはGoldのように結び付けられることが多い。Silverだとラウンジには入れないがGoldだと入れるといったような差が存在する。わかりにくいので次章以降でユナイテッド航空JALの例を説明する。

 

3. ユナイテッド航空のステータス

ユナイテッド航空は、スターアライアンスに属するアメリカの航空会社。だから、ユナイテッド航空のステータスを持っていると、ユナイテッド航空利用時に優遇されるのはもちろん、同じスターアライアンスANA利用時なんかも優遇される。

ユナイテッド航空のステータスには4段階あって、下から順にPremier Silver、Premier Gold、Premier Platinum、Premier 1Kである。Premier SilverだとStar Alliance Silver、Premier Gold以上はStar Alliance Goldの資格を得られる。つまり、Premier Gold以上のスタータスを持っている人は、スターアライアンスに属するANAなどを利用するときは、Star Alliance Goldを持っている人として扱われ、ラウンジ利用や手荷物の優先返却、優先搭乗などの恩恵を受けられる。

Premier GoldもPlatinumも1Kも、自社利用時は区別されるが、他社利用時は同じStar Alliance Goldでしかない。

 

4. JALのステータス

JALのステータスには下から順に、クリスタル、サファイアJGCプレミア、ダイヤモンドの4つがある。それと別に、JGCJALグローバルクラブ)という会員制度がある。一度サファイア以上のステータスを得るとこの会員になることができ、それ以降は年会費を払うだけで優遇してあげますよ、という制度である。

JALの属するワンワールドでも、スターアライアンスと同じようなステータスのランクが決められている。こちらは、oneworld Rubyoneworld Sapphire、oneworld Emeraldの3段階でスターアライアンスより1段階多い。一番下のRubyではラウンジに入れないが、Sapphireではビジネスクラスラウンジに、Emeraldではファーストクラスラウンジに入れる空港もある。

 

JALでのステータス JGCなし JGCあり
なし なし Sapphire
クリスタル Ruby Sapphire
サファイア Sapphire Sapphire
プレミア - Emerald
ダイヤモンド Emerald Emerald

 

この表は、JALのステータスがoneworldでどのステータスレベルになるかを示している。JGCは、それを持っているだけでSapphireになれ、ラウンジにも入れるというわけだ。なおJGCなしのプレミアをハイフンにしているのは、プレミアはJGC入会者のみの得られるステータスだからである。

 

5. JALからユナイテッド航空へのステータスマッチ

ユナイテッド航空では、毎年のようにステータスマッチを行っていて、JALを含む世界中の航空会社のステータスを持っている人からの応募を受け付けている。一部の航空会社については、どのステータスがユナイテッド航空のどのステータスに割り当てられるかウェブサイトに明記されているが、JALなどの会社は実際に申請するまでわからない。

私は、JALのステータスとしてJGCを持っている。クリスタルでもサファイアでもなく、ただのJGCである。ただのJGCというのは、得られる待遇から考えると、クリスタルとサファイアの間の位置で、ラウンジに入れる資格の中で一番下と言える。

だから、順当に行けば、

クリスタル → Premier Silver

JGC → Premier Gold

サファイア → Premier Gold

JGCプレミア → Premier Platinum

ダイヤモンド → Premier Platinum

へとマッチされると予測できる。なお、ユナイテッド航空の一番上のステータスであるPremier 1Kにはマッチは行われていない。

実際にステータスマッチを申請する画面では、以下のように自分のステータスを選択する。

この並びを見て、ん?と思った。Global ClubがDiamondの下にあるぞ???

もしかして最上級の会員の名前だと思われてるのだろうか、と思いつつ、Global Clubを選択し、ステータスカードの写真をアップロードして結果を待った。

 

すると、、、

ほら!やっぱり!

JGCはPremier Platinumへとステータスマッチされた。JGCをGGL(Gold Guest List; British Airwaysの最上級資格)の類だと思ってるの?

ちなみに、7-14営業日待ってねと書かれていたが、3分でこのメールが来た。爆速すぎん?

Walletに会員証も入れられる。かっこいいね。

 

6. ANAにおける対応

このステータスマッチを行ったとき、私はANAのステータスを獲得するためにたくさんANAに乗っていた。前述のとおり、このステータスがあるとANA利用時においてもラウンジに入ったり優先搭乗したりできる。

面倒だったのが、このときANAにマイルを積算しつつ、ユナイテッド航空のステータスの恩恵を受けたかったことだ。通常、ユナイテッドのステータスを利用する人はユナイテッドのマイルを貯める人が多い。利用するのと積算するマイレージが同じであれば、番号を1つ登録するだけで済む。

しかし今回、積算する番号を変えないままラウンジにも入れるようにしてもらう必要があった。これはWebからはできず、有人カウンターで対応してもらう必要があったのだが、カウンターのスタッフですらできない人ばかりであった。しかも、毎度乗るたびにしてもらわないといけない。半分以上のスタッフがその手続きをうまくできなかった。

 

うまくいくと、航空券に以下の表示がされる。

マイレージがAMC(ANAマイレージクラブ)で、下の受付済のところにUA*G(ユナイテッド航空のStar Alliance Goldを示す)と印字されている。搭乗順もGroup 2で、優先搭乗の対象となっていることがわかる。
苦労して手続きしてくれた羽田のお姉さんありがとう。

 

スタッフがうまくできなかったときはどうしようもないので諦めよう。カウンターでユナイテッド航空の番号を結び付けられなくても、ラウンジに入りたいときは、ラウンジの入り口でユナイテッド航空の会員証と航空券を見せると、会員番号を登録してくれて利用できる。しかしこれも慣れていないスタッフばかりで非常に時間がかかるので我慢強くなろう。なお、ここで登録されるのはラウンジ利用のためだけっぽく、優先搭乗は利用できない。

 

ANAは上級会員がサテライト発着便利用するとき、ラウンジの代わりとしてANA FESTAで1000円分の買い物をできるようにしている。Star Alliance Goldでも対象なので、もちろんこれも対象となる。

 

7. ユナイテッド航空での恩恵

ユナイテッド航空を利用して福岡からグアムに行ったので、そこでもこのステータスの恩恵を受けられた。まずラウンジ利用と手荷物の優先返却、優先搭乗はANA搭乗時同様に利用できる。それに加え、ユナイテッド航空搭乗時の自社ステータス会員の特典として、一部路線*1において空席があれば上位クラスにアップグレードされるというものがある。

福岡からグアムなんて路線のしかも、まだ海外渡航者数も復活途中の22年9月に、ユナイテッドのステータスを持ってる人はほとんどいなかったので、無事アップグレードされた。アップグレードはPremier 1K、Platinumと順に回ってくるので、Goldの会員が多く乗っていたとしてもPlatinumを持つ自分のアップグレードの確率は高かったと思う。

 

ビジネスクラスの座席。古い737-800なので現代のビジネスクラスとしては微妙。

機内食のランチ。美味しかった。座席は1列目!

Premier Platinumの表示


グアム観光局のプロモーションかなんかのセールで往復総額36000円くらいで予約したエコノミークラスがこれになった。めっちゃいい。予約クラスに関わらずアップグレードしてくれるのは太っ腹だなって思った。ちなみにユナイテッドの上級会員制度は、いくら航空券に使ったかでランクが決まるので、結構ハードルが高い。


てかユナイテッドのCAのおばちゃん達ゆるくていいな~ってなった。和気藹々としてた。

 

このステータスマッチで得たステータスは2022/9/21まで有効だったのだが、グアムへの往路が9/22、帰りが9/25だった。Premier Platinumだとアップグレードは最速3日前に確定するが、1日前の9/21と9/24にアップグレードされた旨のSMSが届いた。発券時のステータスなのか、数日前のステータスで判断しているのかはわからないが、搭乗時にはステータスがないにも関わらずビジネスクラスでかつPremier Platinum扱いだったので面白かった。

 

8. 最後に

JGC持っててSFC修行するとかならUAステマ(ステータスマッチ)はいいぞという話。

誰を相手に書いてるわけでもないので、そんな説明必要??とかここは説明しないの!?みたいな感じになった。だらだらな文章を最後まで読んでくれた人がいたらありがとう。偶然、たまたま、うっかり、この駄文を見つけて読んでしまった人が果たして最初の方の前提知識を知らないことがあるだろうか...

*1:短めの米国内線とアラスカ、カナダ、メキシコ、カリブ海諸国、中米、グアム、ミクロネシア線。https://www.united.com/ual/ja/jp/fly/mileageplus/awards/upgrade.html