2022年、ユナイテッド航空へJALからステータスマッチを行った。
軽い背景知識の説明とどのような恩恵があったかを備忘録程度に残す。だいたい知ってる人は最初をぶっ飛ばして5章くらいから読んでね。
- 1. ステータスマッチとは
- 2. 航空会社のステータスとその恩恵
- 3. ユナイテッド航空のステータス
- 4. JALのステータス
- 5. JALからユナイテッド航空へのステータスマッチ
- 6. ANAにおける対応
- 7. ユナイテッド航空での恩恵
- 8. 最後に
1. ステータスマッチとは
名前の通りで、他社のステータスを持っている人(上級会員)に自社のステータスを一定期間付与することである。ホテルチェーン間や航空会社間、ホテルチェーンと航空会社間などでよく行われている。他社をたくさん利用する人ならうちにもお金落としてくれそう、あわよくば乗り換えてくれそう、という目論見。
2. 航空会社のステータスとその恩恵
世に航空会社はごまんとあるが、有名な会社は3つの航空連合(アライアンス)のどれかに属していることが多い。ワンワールド・スターアライアンス・スカイチームの3つで、日本ではJALがワンワールドに、ANAがスターアライアンスに属している。
同じアライアンスに属する航空会社同士はお互いに連携していて、ある航空会社のステータスを有する人は同じアライアンス内の他社利用時も一定の恩恵を受けられる。
でも同じアライアンス内でも航空会社ごとにステータスの基準とか名前とか違うので、ある会社のあるステータスがどのくらいのレベルかを測るものさしのように、アライアンスごとに決めたステータスのレベルが存在する。例えばスターアライアンスにはStar Alliance SilverとStar Alliance Goldの2つがあって、それぞれの航空会社の一番低いステータスはSilver、それより上のステータスはGoldのように結び付けられることが多い。Silverだとラウンジには入れないがGoldだと入れるといったような差が存在する。わかりにくいので次章以降でユナイテッド航空やJALの例を説明する。
3. ユナイテッド航空のステータス
ユナイテッド航空は、スターアライアンスに属するアメリカの航空会社。だから、ユナイテッド航空のステータスを持っていると、ユナイテッド航空利用時に優遇されるのはもちろん、同じスターアライアンスのANA利用時なんかも優遇される。
ユナイテッド航空のステータスには4段階あって、下から順にPremier Silver、Premier Gold、Premier Platinum、Premier 1Kである。Premier SilverだとStar Alliance Silver、Premier Gold以上はStar Alliance Goldの資格を得られる。つまり、Premier Gold以上のスタータスを持っている人は、スターアライアンスに属するANAなどを利用するときは、Star Alliance Goldを持っている人として扱われ、ラウンジ利用や手荷物の優先返却、優先搭乗などの恩恵を受けられる。
Premier GoldもPlatinumも1Kも、自社利用時は区別されるが、他社利用時は同じStar Alliance Goldでしかない。
4. JALのステータス
JALのステータスには下から順に、クリスタル、サファイア、JGCプレミア、ダイヤモンドの4つがある。それと別に、JGC(JALグローバルクラブ)という会員制度がある。一度サファイア以上のステータスを得るとこの会員になることができ、それ以降は年会費を払うだけで優遇してあげますよ、という制度である。
JALの属するワンワールドでも、スターアライアンスと同じようなステータスのランクが決められている。こちらは、oneworld Ruby、oneworld Sapphire、oneworld Emeraldの3段階でスターアライアンスより1段階多い。一番下のRubyではラウンジに入れないが、Sapphireではビジネスクラスラウンジに、Emeraldではファーストクラスラウンジに入れる空港もある。
JALでのステータス | JGCなし | JGCあり |
---|---|---|
なし | なし | Sapphire |
クリスタル | Ruby | Sapphire |
サファイア | Sapphire | Sapphire |
プレミア | - | Emerald |
ダイヤモンド | Emerald | Emerald |
この表は、JALのステータスがoneworldでどのステータスレベルになるかを示している。JGCは、それを持っているだけでSapphireになれ、ラウンジにも入れるというわけだ。なおJGCなしのプレミアをハイフンにしているのは、プレミアはJGC入会者のみの得られるステータスだからである。
5. JALからユナイテッド航空へのステータスマッチ
ユナイテッド航空では、毎年のようにステータスマッチを行っていて、JALを含む世界中の航空会社のステータスを持っている人からの応募を受け付けている。一部の航空会社については、どのステータスがユナイテッド航空のどのステータスに割り当てられるかウェブサイトに明記されているが、JALなどの会社は実際に申請するまでわからない。
私は、JALのステータスとしてJGCを持っている。クリスタルでもサファイアでもなく、ただのJGCである。ただのJGCというのは、得られる待遇から考えると、クリスタルとサファイアの間の位置で、ラウンジに入れる資格の中で一番下と言える。
だから、順当に行けば、
クリスタル → Premier Silver
JGC → Premier Gold
サファイア → Premier Gold
JGCプレミア → Premier Platinum
ダイヤモンド → Premier Platinum
へとマッチされると予測できる。なお、ユナイテッド航空の一番上のステータスであるPremier 1Kにはマッチは行われていない。
実際にステータスマッチを申請する画面では、以下のように自分のステータスを選択する。
この並びを見て、ん?と思った。Global ClubがDiamondの下にあるぞ???
もしかして最上級の会員の名前だと思われてるのだろうか、と思いつつ、Global Clubを選択し、ステータスカードの写真をアップロードして結果を待った。
すると、、、
ほら!やっぱり!
JGCはPremier Platinumへとステータスマッチされた。JGCをGGL(Gold Guest List; British Airwaysの最上級資格)の類だと思ってるの?
ちなみに、7-14営業日待ってねと書かれていたが、3分でこのメールが来た。爆速すぎん?
Walletに会員証も入れられる。かっこいいね。
6. ANAにおける対応
このステータスマッチを行ったとき、私はANAのステータスを獲得するためにたくさんANAに乗っていた。前述のとおり、このステータスがあるとANA利用時においてもラウンジに入ったり優先搭乗したりできる。
面倒だったのが、このときANAにマイルを積算しつつ、ユナイテッド航空のステータスの恩恵を受けたかったことだ。通常、ユナイテッドのステータスを利用する人はユナイテッドのマイルを貯める人が多い。利用するのと積算するマイレージが同じであれば、番号を1つ登録するだけで済む。
しかし今回、積算する番号を変えないままラウンジにも入れるようにしてもらう必要があった。これはWebからはできず、有人カウンターで対応してもらう必要があったのだが、カウンターのスタッフですらできない人ばかりであった。しかも、毎度乗るたびにしてもらわないといけない。半分以上のスタッフがその手続きをうまくできなかった。
うまくいくと、航空券に以下の表示がされる。
マイレージがAMC(ANAマイレージクラブ)で、下の受付済のところにUA*G(ユナイテッド航空のStar Alliance Goldを示す)と印字されている。搭乗順もGroup 2で、優先搭乗の対象となっていることがわかる。
苦労して手続きしてくれた羽田のお姉さんありがとう。
スタッフがうまくできなかったときはどうしようもないので諦めよう。カウンターでユナイテッド航空の番号を結び付けられなくても、ラウンジに入りたいときは、ラウンジの入り口でユナイテッド航空の会員証と航空券を見せると、会員番号を登録してくれて利用できる。しかしこれも慣れていないスタッフばかりで非常に時間がかかるので我慢強くなろう。なお、ここで登録されるのはラウンジ利用のためだけっぽく、優先搭乗は利用できない。
ANAは上級会員がサテライト発着便利用するとき、ラウンジの代わりとしてANA FESTAで1000円分の買い物をできるようにしている。Star Alliance Goldでも対象なので、もちろんこれも対象となる。
7. ユナイテッド航空での恩恵
ユナイテッド航空を利用して福岡からグアムに行ったので、そこでもこのステータスの恩恵を受けられた。まずラウンジ利用と手荷物の優先返却、優先搭乗はANA搭乗時同様に利用できる。それに加え、ユナイテッド航空搭乗時の自社ステータス会員の特典として、一部路線*1において空席があれば上位クラスにアップグレードされるというものがある。
福岡からグアムなんて路線のしかも、まだ海外渡航者数も復活途中の22年9月に、ユナイテッドのステータスを持ってる人はほとんどいなかったので、無事アップグレードされた。アップグレードはPremier 1K、Platinumと順に回ってくるので、Goldの会員が多く乗っていたとしてもPlatinumを持つ自分のアップグレードの確率は高かったと思う。
グアム観光局のプロモーションかなんかのセールで往復総額36000円くらいで予約したエコノミークラスがこれになった。めっちゃいい。予約クラスに関わらずアップグレードしてくれるのは太っ腹だなって思った。ちなみにユナイテッドの上級会員制度は、いくら航空券に使ったかでランクが決まるので、結構ハードルが高い。
てかユナイテッドのCAのおばちゃん達ゆるくていいな~ってなった。和気藹々としてた。
このステータスマッチで得たステータスは2022/9/21まで有効だったのだが、グアムへの往路が9/22、帰りが9/25だった。Premier Platinumだとアップグレードは最速3日前に確定するが、1日前の9/21と9/24にアップグレードされた旨のSMSが届いた。発券時のステータスなのか、数日前のステータスで判断しているのかはわからないが、搭乗時にはステータスがないにも関わらずビジネスクラスでかつPremier Platinum扱いだったので面白かった。
8. 最後に
JGC持っててSFC修行するとかならUAのステマ(ステータスマッチ)はいいぞという話。
誰を相手に書いてるわけでもないので、そんな説明必要??とかここは説明しないの!?みたいな感じになった。だらだらな文章を最後まで読んでくれた人がいたらありがとう。偶然、たまたま、うっかり、この駄文を見つけて読んでしまった人が果たして最初の方の前提知識を知らないことがあるだろうか...
*1:短めの米国内線とアラスカ、カナダ、メキシコ、カリブ海諸国、中米、グアム、ミクロネシア線。https://www.united.com/ual/ja/jp/fly/mileageplus/awards/upgrade.html